宮本輝の最新エッセー集「真夜中の手紙」を立ち読み

昨年12月21日に刊行された宮本輝氏の最新エッセー集「真夜中の手紙」を書店で拾い読みした。

かつては、宮本輝の新刊が出るたびに発売初日に書店に駆けつけて購入したものだったが、数年前から、購入したりしなかったりするようになった。理由はたぶん2つだろう。読んで、いまいちと思う新刊が増えてきたこと、それと、本(単行本)を高いと感じるようになったからだ。宮本氏の小説は上下2巻になることが多く、単行本だと3000円強になる。これはかなりの金額だ。文庫になるまで待って買えばいいではないかともいえるが、2,3年たって文庫化されるころにはその本への興味が薄れていることが多い。
氏の初期から中期の小説は傑作ぞろいで、面白く、しかも文章も美しく、読後に余韻が残るものが多かったが、90年代後半以降の作品はミステリーの要素が加わって、文学の薫りが失われてきているように感じられて残念だ。

今回のエッセー集「真夜中の手紙」は、氏の日々の生活や、思ったことなどがつれづれに書かれていて、氏の現在を知ることができて貴重だ。落語や音楽(クラシックやジャズ)、ゴルフなど、氏の好きなこと(もの)についての記述が多い。私が立ち読みしたのは、水上勉や井上靖といった作家との交流を描いた箇所や、出版社の編集者がもらした出版界や今の文学への危機感などの部分だ。かつて、文庫といえば、長く読まれるべき作品だけが収録されたが、10年以上前から、なんでもかんでも文庫化されては消えていくようになってしまったと慨嘆している。ほんとうにそうだなと思う。

でも、ブックオフがなければ私の読書生活は成り立たない。定価で買って読みたいと思う本の少ないこと。100円だったら買ってもいいかなという本が多いと思うのは私だけだろうか。

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